「春」と言えば、花粉症に悩まされている人も多いと思いますが、実は「尿もれ」の季節でもあります。理由として、花粉症により引き起こされる「せき」や「くしゃみ」によって「尿もれ」する方が多いのです。そこで、亀田総合病院と北九州総合病院のウロギネセンター長である野村昌良医師が春の尿もれのセルフケア方法を紹介します。
般的にUI(尿もれ)は高齢者がなるものと思われていますが、実は20代以上の2人に1人以上に尿もれ(UI)の経験があり、どの世代でも6割前後の経験率を持つことが4万人への調査によって分かりました。また20代の尿もれ(UI)経験者のうち、出産経験のない女性は63.4%を占めています。
※「UI」とは、「Urinary Incontinence(カタカナ表記:ユリナリー インコンチネンス)」の略語で、「尿もれ、尿失禁」を意味する用語です。
【世代別の尿もれ経験者の割合】(P&Gウィスパー調べ)
切迫性尿もれ | 急に我慢できない尿意を感じトイレに間に合わない→座っているときにも起こる ・膀胱が過剰な働きを行うようになっている(過活動膀胱) ・脳内の排尿コントロール機能障害が起きている 【原因】座りっぱなしによる骨盤の鬱血(頻尿を誘発しやすい)など |
腹圧性尿もれ ※春に多い! |
お腹に力が入ることで膀胱が圧迫されておきる→動いているときに起こる ・骨盤底筋など尿道そのものの機能が弱まっている 【原因】出産をきっかけに骨盤底筋群が傷ついたり、慢性的なせき・くしゃみなどで骨盤底筋群が弱る |
混合型尿もれ | 【切迫性尿もれ】と【腹圧性尿もれ】両方の要素が重なった尿もれ 骨盤臓器脱がおきている場合もある ・膀胱がゆるむ→切迫性尿もれ ・尿道もゆるみやすい→腹圧性尿もれ |
くしゃみが出た際の負荷も、UI(尿もれ)の原因のひとつとなる骨盤底筋群の衰えにつながります。花粉症によるせきやくしゃみによって、尿もれを自覚するという人も多いといいます。
*尿の出るスピードが早い人は要注意! ・尿量を排尿にかかった時間で割ることで、平均尿流量をチェック。
→これが20ml/secよりも早い場合は尿道の筋力が弱っているといえる
=尿道抵抗が低いほど、筋肉が弱っていて尿もれのリスクがある
※1500ml/1日が排尿量の目安(1日5回×300ml程度) この量より極端に多い場合は、水分の摂りすぎによる切迫性尿もれの可能性がある |
→肛門の筋肉を自分でコントロールしながらおならを出す
「すかしっぺ」は、骨盤底筋の筋力アップにも効果的
※おならをしたくなったら、できるだけ音を出さずに小出しでするようにトライ!
→イスに座り、ひざでタオルやボールをはさみ、落とさないようにキープする
(膣を引き上げるように力を入れるイメージで行うと骨盤底筋群を 鍛えることができる)
※丸めたタオルを股の下に置き、膣を引き上げるように力を入れて座っても良い
(ものが当たることで、筋肉を使っている感覚をつかみやすい)
▶膀胱を刺激する食べ物を避け、太りづらい食べ物を中心に食べる
▶UI(尿もれ)を改善する4つの習慣
①過緊張を避ける→ストレスホルモンが膀胱を直接刺激し、尿意を引き起こすため。
②インナーマッスルを鍛える→底(骨盤底筋)だけでなく、その周りの筋肉(インナーマッスル)の収縮も重要。 インナーマッスルが強くなると、骨盤底筋全体をグッと引き上げることができる。
③排尿記録をつける
(亀田総合病院 ウロギネセンター長 野村昌良医師作「尿意の7段階」表
→いつ、何をしているときに漏れたか、尿意はどの程度だったかを自分の中で分析する。
それを踏まえて、どのくらいの尿意でトイレに行けば間に合うかを把握する。
④生活の中で膀胱訓練をする
→外出中は余裕を持ってトイレに行く、家にいるときは限界まで我慢するなど、TPOに合わせて、トイレに行くタイミング (=排尿行動)をコントロールする膀胱訓練を行う。 ※尿もれ用のパッドなどを使って、保険をかけて訓練するのも良い ※段階を明確にし、間に合うタイミングを把握することで成功体験を重ねることが重要!
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